脳血管内治療科

脳血管内治療科|後期研修要項

はじめに

脳血管内治療は、もともとは神経疾患の検査方法のひとつである脳血管撮影を治療に応用する技術です。
対象とする疾患が脳神経外科的なものが多いこと、脳血管撮影は放射線的検査であることより、脳神経外科、放射線科双方からのアプローチが可能ですが、本邦では主に脳神経外科が、欧米では放射線科が担当してきました。
当教室も脳神経外科の流れを汲んでおります。対象疾患は頭蓋外の狭窄性動脈病変と脳動脈瘤が主体であり、これに脳動静脈奇形や脳腫瘍が加わります。
東北大学病院脳血管内治療科では、大学卒業後2年間の初期臨床研修を修了したみなさんに、充実した後期研修プログラムを用意しております。このプログラムでは以下の3コースを設け、ひとりひとりの要望に柔軟に対応できるようにしています。

  1. 脳血管内治療専門医コース
  2. 大学院研究コース
  3. 脳神経外科合同コース

研修の途中で別のプログラムへ変更することも可能です。詳細は以下をご覧下さい。

研修コース案内

脳血管内治療専門医コース

脳血管内治療の専門家として、日本脳神経血管内治療学会の専門医を目指すコースです。
脳血管内治療は専門医であるか否かで保健上の制限や社会的な制約があるものではありませんが、今般の社会情勢を鑑みたとき、専門医であることが有利なことは論を待ちません。
日本脳神経血管内治療学会では専門医取得に際し、指導医のもとでの研修を強く推奨しておりますが、当教室には指導医が2名、広南病院に1名おり充実した研修を受けられます。
研修場所に関して当科では、大学病院は慢性期疾患 ( 未破裂脳動脈瘤、内頸動脈狭窄症など ) 、広南病院は急性期疾患( 破裂脳動脈瘤、脳梗塞急性期など ) という役割分担がされており、研修期間のおよそ1/3を大学病院で、1/3を広南病院で過ごすことになります。
脳血管内治療専門医取得に関しては脳神経外科的な知識が極めて重要であり、残りの1/3は脳神経外科での研修を基本とします。但しこれは必須とはいたしません ( 必須とはしませんが専門医の筆記試験は脳神経外科を直接研修した方が数段勉強しやすいと思います ) 。
また希望により、放射線科での研修、研修期間での学位取得にも対応したいと思います。

大学院コース

大学院入学を基本とします。4年間で基礎研究あるいは臨床研究をまとめ、学位取得を目指します。
希望があれば、基礎医学や工学部の教室、更には海外の研究所に出向して研究に携わることも可能です。当教室では医工連携による脳血管内治療の臨床研究に力を入れております。またスイスやハンガリーとの共同臨床研究にも着手しております。

脳神経外科合同コース

脳神経外科が後期研修の主体であるが、その期間に脳血管内治療も勉強してみたいという方を受け入れるコースです。
研修者の希望によりさまざまパターンにアレンジが可能です。詳しくは脳神経外科の後期研修要項をご覧下さい。

大学病院、広南病院の活動状況

治療症例数
年度 大学病院 広南病院
2002 30 128
2003 56 119
2004 58 125
2005 79 155
2006(半期) 43 120

週間スケジュール

大学病院 広南病院
午前 午後 午前 午後
脳血管内治療 脳血管内治療 脳血管撮影 脳血管撮影
脳血管撮影 脳血管内治療
(出張治療日) 脳血管撮影 脳血管撮影
脳血管撮影 教授回診 脳血管内治療
教授回診 脳血管撮影 脳血管撮影 脳血管撮影

カンファレンス

大学病院
脳神経外科合同カンファレンス 毎週金曜 8:00
術前術後症例検討会 毎週金曜 7:30
広南病院
脳血管撮影読影会 毎日 8:00
脳神経外科合同カンファレンス 毎日 8:30
大学病院・広南病院共通
脳神経外科ラウンドカンファレンス 隔週水曜 19:00

おわりに

上記の3コースは固定的なものではなく、おおまかなガイドラインを示したものです。
後期研修は初期研修と異なり柔軟に対応できますので、各人の希望に沿うことを 基本とし、ひとりひとり相談しながらきめ細かに研修内容をアレンジしていく方針です。みなさんの参加をお待ちしております。