研修の特徴

研修の特徴

医師初期臨床研修の役割は、医師としての基盤を形成するこの時期に、将来の専門性にとらわれず、患者を全人的に診るための臨床能力を身につけることです。東北大学病院初期臨床研修プログラムでは、本院および東日本全域の協力病院での研修を通して医師としての基本的臨床能力を身につけ、全人的に診療できる専門医を育成します。

  1. 多様性と柔軟性を持った自由度の高いプログラム
  2. 協力病院での「たすきがけ研修」
  3. プライマリ・ケアも十分に経験
  4. 充実した救急症例の経験、救急トレーニング
  5. アカデミックな医療環境・指導体制の充実
  6. 指導・サポート体制
  7. 充実した施設

1|多様性と柔軟性を持った自由度の高いプログラム

当院の初期臨床研修プログラムでは、2年間のプログラムのうち最大で10ヶ月間、将来専攻を希望する診療科など、自由に選択することが可能です。またローテートの順番についても、研修必修科も含めて自由にプログラムを組むことができます。(※ホスト科指導医との相談で個々に適した順番を提案することや、人数等の問題等によりプログラムの調整を要することもあります)2年間を通じて個々の研修医の希望を配慮しながら必要な研修先(診療科や病院)を決定しています。将来専門医コースに進む、あるいは大学院へ進学することを考慮し、専攻診療科を決めた時点から各専門学会の認定専門医制度の受験資格取得に有利なプログラムを選択することも可能です。

2|協力病院での「たすきがけ研修」

大学病院内のみの研修では不足してしまう可能性もあるプライマリ・ケア、あるいは一般的な疾患の経験を補うことも考慮して、当院では市中病院の研修も合わせた「たすきがけ研修」が可能となっています。東日本全域に広がる多くの協力病院で、内科・外科・地域医療などの必修科目や自由選択科目など最大14ヵ月まで研修を行うことができます。東北大学病院には、東北地域を網羅する艮陵協議会に所属する協力病院と密接に協力し合って臨床研修を行ってきたすばらしい歴史があります。研修先は卒後研修センターと各科が連携して、研修医の希望に応じて調整します。当院のたすきがけ研修では、大学病院と市中病院のそれぞれの良いところを組み合わせた「良いとこ取り」のプログラムが可能となり、初期臨床研修においては大きなメリットとなります。

協力病院と施設

3|プライマリ・ケアも十分に経験

院内の多くの専門家集団がプライマリ・ケアで実践的に役立つ研修指導をします。また、興味深い症例や難しい症例を一症例ずつじっくりと診ることもでき、多くの分野の専門医の指導の下、先進医療の動向をかいま見ることもできます。プライマリ・ケアのできる大学病院の指導体制や救急医療体制、協力病院体制をとっています。 スタッフおよび設備が充実した高度救命救急センターにおいては、2年間を通じて様々な救急疾患を経験することができ、より一般的な疾患や経験症例数については、市中病院での「たすきがけ研修」で補うことが可能ですので、臨床研修において必要なプライマリ・ケアは十分に経験できます。

4|充実した救急症例の経験、救急トレーニング

東北大学病院では平成18年に高度救命救急センターが開設されて以降、一次救急から三次救急まで幅広い救急患者を多数受け入れており、初期研修においても非常に重要である救急疾患を幅広く経験することが可能です。また、高度救急救命センターのローテーション中はもちろん、循環器内科、産婦人科、麻酔科、外科などを除いた診療科をローテーション中も、原則として宿日直は高度救急救命センターで行うこととしていますので、より多くの救急疾患の経験が可能となります。 また、救急トレーニングにも力を入れており、AHA(アメリカ心臓協会)の正規BLS、ACLSコースを研修プログラムへ組み込んでおり、費用は全額当院が負担します。

5|アカデミックな医療環境・指導体制の充実

東北大学病院では、臨床経験だけではなく、学会発表の機会や論文作成など、アカデミックな面で指導も含めて充実しています。早い時期からまとめる能力やプレゼンテーション能力など、充実した指導医のもとで学ぶことが可能です。学会発表については、各診療科において、地方会・研究会から全国学会、場合によっては国際学会での発表・参加もあり、キャリア向上にもつながります。今後の学位あるいは専門医の取得等にもアカデミックな面は必要となりますので、実臨床とともにバランス良く研修することはとても大切です。 

  • 2022年度より新たに、AI技術の医療への応用を学ぶ「診療情報処理研修」を選択科目として開設しました。「診療情報処理研修」では、医療AI人材育成プログラム(Clinical AI)の枠組みを活用し、同プログラムの教員を中心とした指導陣により、解析に用いるデジタル医療情報の事前処理、機械学習に基づく医療データ解析手法の基礎を学びます。具体的には、プログラミングを用いたデータクレンジングやデータ整形、AIの基盤技術である機械学習やプログラミング言語の基礎から実践的な医療データ解析、放射線画像など医療データに対する画像処理、AI画像診断、「AI」技術の基礎的知識についての講義や データ処理スキル向上のための実践的なハンズオン学習を実施することとしています。

6|指導・サポート体制

  • メンター教員制度
  • メンター研修医制度
  • ホスト診療科制度

指導・サポート体制

7|充実した施設

  • 研修医専用宿舎『星陵レジデンス』
  • クリニカル・スキルスラボ
  • 先端医療技術トレーニングセンター
  • 東北大学附属図書館

施設・宿舎など

その他

初期臨床研修の評価システム「PG-EPOC」

本院では、初期研修の評価システムとして、PG-EPOCを採用しています。

東北大学は指定国立大学に指定されました

東北大学は、文部科学大臣が世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学法人を指定する「指定国立大学法人」の指定を受けました。この指定国立大学法人には本学のほか、東京大学、京都大学の3大学が指定を受けました。世界最高水準の教育・研究・社会貢献を目指す大学として、財務基盤と人材多様性などの先進的な構想が評価されました。指定を受けた大学は、国内の競争環境の枠組みから出て、国際的な競争環境の中で、世界の有力大学と伍していくこと目指し、社会や経済の発展に貢献する取組の具体的成果を積極的に発信し、国立大学改革の推進役としての役割を果たすことが期待されます。

創造と変革を先導する大学 世界から尊敬される三十傑大学を目指して(5.5MB)