
神経内科
神経内科|後期研修要項
対象
2年間の初期臨床研修を修了した者あるいは卒後3年間以上の臨床研修を修了した者
募集人数
10名程度
指導体制
診療および研究は、日本神経学会専門医のスタッフが直接指導を行う。当科神経内科は、日本でも有数の歴史と伝統を有する日本神経学会認定教育施設であり、これまでに多数の指導的人材を送り出してきており、研修修了後はほぼ全員が日本神経学会専門医を取得している。
東北大学神経内科 認定医・専門医取得者 | |
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神経内科指導医 | 9名 |
神経内科専門医 | 17名 |
日本内科学会総合内科専門医 | 5名 |
日本内科学会認定医 | 25名 |
臨床遺伝専門医 | 2名 |
関連病院・関連施設 | |
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神経内科専門医 | 100有余名 |
研修目標
神経内科専門医として必要とされる知識・診療手技を取得するとともに、常に最先端の医学情報を収集し、絶えず自己の研鑽に努める姿勢を身に付けるよう指導する。更には学会発表、論文報告などの学術的活動についても積極的に参加を促し、国際的な視野に立って活躍して行ける基礎を作る。取り敢えずの目標は日本神経学会認定専門医の取得であるが、それに留まらず診療・研究に於いて指導的役割を果たして行ける様な高いレベルでの研修達成を目標とする。希望者は大学院へ入学してさらに専門的な神経科学研究の指導を受ける。
研修の目的
医学生・初期研修医の間で、神経疾患と言うと「難しい・治らない」との印象を持つと言う声を良く聞く。そうした印象はある一面では正しいが、他の多くの面では間違っている。確かに他の臓器と脳神経系が決定的に異なるのはその機能的多様性であり、MRI などの画像診断が格段に進歩した現在も、20世紀初頭に完成した症候学的診察法の価値は全く減じていない。すなわち、何も考えずに画像検査や採血をオーダーしても正しい診断・治療に至ることは決して容易ではなく、診断の初期段階に於いて症例の神経症候を論理的に整理・理解して、脳神経系のシステムとしての障害部位を判断してから補助的検査法に移る必要がある。一度こうした知識を身に付けると診断の進め方は極めて論理的であり、また最も専門性を生かせる部分でもある。一方でそうして診断しても神経疾患は難治性であり臨床医としてやりがいが無いのではないかとの意見についてもここ20年で状況は大きく変化して来ている。脳血管障害、神経感染症、免疫介在性神経疾患などを中心に早期に的確な治療を開始できるかどうかで予後が大きく異なる結果となり得る神経疾患がどんどん増えている。難攻不落と言われた神経変性疾患ですら、ここ数年の研究進展により治療法確立の具体的な進展が見られている。今後の10年で状況はさらに大きく変化することが確実視され、的確な専門知識を持った神経内科医の需要は高まることはあれ、決して減じることはないと断言できる。その一方で、日本の神経内科専門医の対人口比率は未だ欧米の半分程度であり、まだまだ充足しているとは言えない現状である。
こうした中で、当科の研修ではまず基本を大事にしている。臨床中心で研修する場合も研究に進む場合もともに、当初の最低一年は大学病院または関連教育施設で神経内科医として最低限必要な基本手技を身に付けさせるべく、専門医の指導のもとで主治医として入院患者の診療に従事させる。この基本研修期間を通して、神経学的診察法、脳波、筋電図、神経・筋生検などの補助検査とともに、神経疾患診断のプロセスを基本的手技として身につけることを目標とする。その後は臨床研修を更に進めて、神経内科専門医として必要とされる知識・手技を身に付けるのが基本的な手順であるが、研修の中で疑問に思ったり興味を持った内容について適切な時期に大学院に移行して研究を中心とした研修に入ることも可能である。当科の研究内容は、生化学、分子生物学、細胞生物学などのミクロの視点から行われている研究から遺伝子導入動物を用いた個体レベルでの研究、生理学的手技や脳機能画像を用いた臨床研究、臨床疫学研究など内容は多彩であり、それぞれの分野での専門家が揃っている。しかしどの様な手技を用いていても最終目標は神経疾患の病態解明と治療法開発であり、多様な研究手技を組み合わせて総合的に神経疾患研究に取り組む体制が確立している。
研修スケジュール
基本的に初期研修(2年)修了後は、内科学会認定医を取得後に日本神経学会専門医を取得する事を基本的な目標とするが、実際の研修内容については個々の希望に応じて、多様な研修コースを組み立てることが可能である。東北大学病院および関連病院における研修では、神経内科専門医に求められる総合病院での脳卒中や中枢感染症を含めた急性期研修や筋ジストロフィー等の慢性療養型病院での研修が組み込まれており、必要な脳波・電気生理や神経放射線の判読トレーニングや神経・筋の生検手技や病理標本の作成、遺伝子検査など、神経内科専門医に必要な基本的手技・検査技術の修得を目標にしている。以下に臨床中心(専門医取得コース)、研究中心(大学院研究コース)の代表的な研修コースを示すが、これらを適宜組み合わせたものや希望により他施設での内地留学の期間を設けるなど内容は多彩である。国際学会での発表や英文誌への論文掲載を最低限の目標とし、学位や専門医・指導医資格の取得や海外留学などによるさらなる研鑽を目標に、教室としても最大限支援する体制を整えている。
A.神経内科専門医コース
期日 | 研修内容 | 目標 |
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初期研修2年目 | 初期研修(神経内科の選択) | |
後期研修1年目 | 東北大学神経内科病棟 研修医 | 内科学会認定医 取得 |
後期研修2年目 | 関連病院 研修医 | |
後期研修3年目 | 東北大学・関連病院 指導医 | |
後期研修4年目 | 東北大学・関連病院 指導医 | 神経内科専門医資格 取得 |
B.大学院研究コース
期日 | 研修内容 | 目標 |
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初期研修2年目 | 初期研修(神経内科の選択) | 大学院入学試験 |
大学院1年目 | 東北大学神経内科病棟 研修医 | 内科認定医資格 取得 |
大学院2年目 | 研究 | |
大学院3年目 | 研究 | |
大学院4年目 | 研究 | 学位取得 |
後期研修5年目~ | 東北大学・関連病院 指導医 | 神経内科専門医資格 取得 |
大学院における研究期間は相談により決める。
身分
後期研修医(レジデント)、医員、関連病院医師、大学院生
主な関連研修施設名(日本神経学会認定施設:*教育施設、**准教育施設、***教育関連施設)
後期研修医(レジデント)、医員、関連病院医師、大学院生
広南病院 * | 仙台市立病院 * | |
国立病院機構・宮城病院 * | 仙台赤十字病院 *** | |
国立病院機構・仙台西多賀病院 * | 公立刈田綜合病院 | |
国立病院機構・山形病院 * | 山形市立病院済生館 ** | |
国立病院機構・岩手病院 * | 石巻赤十字病院 | |
国立病院機構・米沢病院 ** | 大崎市民病院* | |
国立病院機構・仙台医療センター * | 大崎市民病院鳴子温泉分院 | |
国立病院機構・いわき病院 * | 斎藤病院 ** | |
東北薬科大学病院 * | 国際医療福祉大学病院 * | |
みやぎ県南中核病院 * |
連絡先
- 卒後教育担当主任:菅野 直人
- リクルート担当:西山 修平
E-mail:admin*neurol.med.tohoku.ac.jp
メールを送信する際は、*を@に変換してください。 - TEL:022-717-7189
FAX:022-717-7192 - 神経内科ホームページ